Toyoko Inn
Haneda Airport No.2
東横INNは「全国ネットワークの基地ホテル」というブランドコンセプトを掲げ、
時代に合わせブランドを進化させてゆきます。
羽田空港2のリニューアルに際し、このブランドコンセプトを体現するデザインを開発、導入しました。
空の玄関口・羽田空港に近い同店で、仕事に、遊びに、さまざまな目的に向かうお客さまの移動を
応援する<基地ホテル>を体感いただければと思っています。
Concept
リニューアルデザインのコンセプト
“基地”とは子どものころに集った秘密基地のような安心でわくわくする場所のことです。「基地ホテル」は仕事や遊びなどさまざまな目的に向かう人々のための拠点となり、その出発を応援する空間です。「基地ホテル」実現のために、ホテルに到着してから出発するまでの時間帯を意識しました。
1階共用スペースでは、少しずつキャラクターが異なる家具や素材を散りばめて、人々が滞在時間に応じて、思い思いに居場所“基地”を選べる環境をつくりました。そこに東横インならではのアート文化を活かしたギャラリ―機能を加えて、移ろう空気感をミックスしました。
その多様な“基地”の集まりを「送り出す天井」と呼ぶ、外に向かって開く天井でおおらかに包みました。「送り出す天井」は照明変化によってチェックイン時には、暖かみのある色に染まり、“おかえりなさい”をやさしく表現し、朝は爽やかな白い姿に変わって、“いってらっしゃい”と心地良く送り出します。
客室はよりパーソナルな“基地”として、3つのキーワード 「Grey」「Void」「Detail」を手がかりに荷物を広げたり、くつろげたりできるように、空間に繊細な表情と余白を加えました。
こんな「基地」が全国にあったら、旅が楽しくなる、と東横INNの皆さんと一緒に考えながらデザインしました。
(建築家・梅澤竜也)
POINT 1
「基地ホテル」の空間化
Grey
光と影にやさしくとけこむ
ニュートラルな空間
Void
お客さまが思い思いに
つかいこなす基地
Detail
小さな工夫の組み合わせで
生まれる少しだけの非日常
POINT 2
共用スペースの「基地化」
「行ってらっしゃい」の仕掛け
外に向かって開く“送り出す天井”
どこからでも見える
シンボリックな時計
どんな滞在時間でも
快適な空間を
様々な居場所感をつくる
素材とライティング計画
パーソナルな時間をつくる
ギャラリー機能
わかり易いゾーニングとサイン計画
Reception
フロント
基地ホテルに到着してまず目にするフロントは
安心感や落ち着きを演出。
Breakfast area
朝食会場
出発を待つわくわく感と賑わいを創出する
パブリックスペース。
Lobby
フロントから朝食会場
外部に向かってリズミカルに開いた「送り出す天井」で、
出発するお客さまを心地良く送り出します。
淡いグレーを基調にした空間。
夜は落ち着いた、朝は自然光に共鳴した
爽やかな空間にゆったりと変化します。
※ハートフルルーム®は、株式会社東横インの
登録商標です。
<梅澤竜也氏>
1982年東京都生まれ。2008年隈研吾建築都市設計事務所入社。海外プロジェクトやアートプロジェクトを主に担当。設計室長を経て、独立。2017年に ALA INC. 設立、主宰。理性と直観から生まれてくる“アート”の感覚が人々や社会を豊かにする、と信じて大小さまざまなプロジェクトで実践している。
Ryuya Umezawa
ー個々の取組みを社会へ循環』展