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-私はこうして女将になりました-
東横INN支配人通信~等身大の女性たち~ 第1号

ホテル経験は無くてもいい。専業主婦の経験しかなくても、それはホテルの運営やお客さまへのおもてなしに活かせる─
そうした考えから東横INNはバリバリのビジネスウーマンではない、妻であり母である40代50代の女性たちを積極的に支配人に採用しています。
そんな等身大の女性たちの奮闘ぶりや成長の軌跡を紹介する「東横INN支配人通信 ~等身大の女性たち~」。
第1号は、2016年度の社員総会で最優秀支配人賞に輝いた山本真喜子支配人に迫ってみました。

東横INN阪神尼崎駅前・神戸三ノ宮Ⅱ支配人。大阪府生まれ。
関西外国語短期大学卒業後、大手旅行会社でカウンター業務を担当。
結婚後10年間は専業主婦となり、第3子が3歳になったのを機に社会復帰。
メーカーのフィールド(外勤)営業等を経て、2003年に株式会社東横イン入社。2013年に執行役員支配人就任、2016年には最優秀支配人賞を受賞。
2男1女の母で、趣味は旅行・映画鑑賞。54歳。

全国180人以上の支配人のなかから、最優秀支配人に選ばれました

 入社してから今日までで一番うれしい瞬間でした。実は4年前からこの賞を欲しいと思っていました。社員総会に初めて参加した私の補佐役のスタッフが、他店舗の支配人が最優秀支配人に選ばれ、受賞のスピーチをしたときに、スタッフと心から喜び合っている姿を見て、涙を流しながら私にこう言ったんです。「山本支配人にあの表彰台にのぼって欲しい。私たちが支配人を表彰台に乗せてみせます」。その時、スタッフ達のためにも最優秀支配人賞を取りたいと思いました。それでスタッフにこう約束したんです。「いつか最優秀支配人賞を取ろう。そうしたらお祝いに皆を温泉旅行に連れて行くから」と。あれから4年が経ちましたが、約束通り先日、スタッフと一緒に総勢11人で有馬温泉に行ってきました。

東横INNに入社したきっかけは?

 実は私、子供のころからずっと女将にあこがれていたんです。たぶん『細うで繁盛記』というテレビドラマの影響だったのでしょうね。それで「東横INNの女将やりませんか」という求人広告を見て、すぐに応募したんです。14年前のことでした。希望が叶い、東横INNから採用のお知らせをいただいたのですが、実は別の会社からも内定をいただいていました。主人に相談したところ「前職のキャリアを活かせる仕事のほうが良いし、支配人なんて大変だろう」と言われて迷いましたが、子ども達が「お母さんはずっと女将をやりたかったんでしょう?」と背中を押してくれて、女将への道を選んだんです。

子育てとの両立は大変でしたか?

 入社したとき、一番下の子は小学校3年生でした。主人も私も出張で、家には子ども達だけという日もありましたが、長男が食事の支度、次男はお風呂掃除、末娘は洗濯物の片づけという具合に子ども同士で家事を分担したり、上の子が弟や妹の面倒を見てくれたりしました。子どもが3人もいて大変だと思われたかもしれませんが、逆に3人いてくれて助かりました。仕事と子育ての両立は100%を目指しても無理、80%でいいんだと割り切って考えるようにしました。家事に多少の手抜きがあってもいい、助けてくれる人がいたらその好意に甘えることも必要だと。これは支配人の仕事にも通じますね。私が仕事に費やせる時間、こなせる量は限られているので、自分一人で何でもやろうとせず、その業務を一番上手にできそうなスタッフに任せて、私はスタッフ達が気持ち良く働ける環境づくりに専念します。

支配人業には、いろいろな苦労が伴うと思いますが…

 東横INNの支配人は楽ではありませんが、とても楽しいです。それは、会社が次々に新しい課題を与えてくれるから。例えば入社7年目、労使の関係がこじれている店舗へ、解決の命題を背負って異動しました。「私よりベテランの支配人がたくさんいるのに、なぜ私なの?」と思いましたが、主人に「それはチャンスだ」と励まされ、スタッフ一人ひとりと向き合い、心を通わせ、良い関係に転じさせることができました。大型店舗の兼務を命じられたときも、経験のないことだったので初めは躊躇しましたが、その時も主人に「チャンスだよ」と励まされ、前向きに取り組みました。他にも後進の育成指導や執行役員支配人、新プロジェクトのリーダーとしての仕事など、会社が与えてくださる課題をクリアする過程で、貴重な経験と、女将として人としての成長を得られたと思います。支配人の仕事は同じことの繰り返しではなく、毎日が新しいチャレンジなんです。ホテルにいらっしゃるお客さまも毎日違いますしね。今日は何が起きるんだろうというワクワク・ドキドキを楽しめるようになれたら、東横INNの支配人業はとても面白いと思います。

お客さまとの印象深いエピソードを教えてください

 入社まもない頃、字に自信がない私は、お叱りを頂戴したお客さま宛にパソコンでお詫状を書いていましたが、ある時、お客さまから「あなたの手紙には心が感じられない」という手紙が届いたんです。定型の文章を切り取ったような文面も良くなかったのだと思います。それで私は「これからはすべて手書きの手紙を出すようにします」と返事を出しました。するとその方からまた手紙が届き、「私が言ったことを分かってくれたんですね」とお褒めの言葉をいただきました。いろいろなお声をくださるお客さまは、もっと東横INNが良くなって欲しいと願ってくださっている方々なんです。ありがたいですよね。 困ったお客さまもいらっしゃいましたよ。見るからにそのスジの方で、追加料金を精算せずにホテルを出ようとしたので、呼びとめてお支払いをお願いしたところ、「支払ってやるから事務所に来い!」と車に連れ込まれそうになりました。もちろん怖かったですが、そういう人を恐れて不正行為を見逃すホテルだと思われたくなかったので、必死に頑張りました。結局、逃げられてしまいましたが、そんな私の姿を見ていたスタッフからは信頼を得られたし、警察の方からも「よく頑張りましたね」とお褒めいただきました。

今後の目標や展望を聞かせてください

 最優秀支配人賞をいただきましたから、次は最優秀店舗賞をいただいて、また温泉に行こうとスタッフ達と約束しました。温泉で釣ろうというのではなくて(笑)、皆が一つの目標に向かって頑張り、目標を達成したら報われるようにしたいんです。私個人としては定年まであと6年、さらに後進の指導に力を入れ、東横INN全体を盛り立てるお手伝いができればと思っています。その後は下宿屋とか小料理屋をやれたらいいですね。実は私、真喜子という名前がとても気に入っているんです。「喜」という文字が入っているでしょう? 私、人を喜ばせることが大好きなので、いくつになっても「笑う門には福来る」で、自分も周りも常に笑顔でいられるようにしていきたいですね。

念願の最優秀支配人賞を受賞

長男の結婚式で

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